こんにちは!前回から楽しみにしてくださっている皆様。お待たせしました。
初めてきた方も楽しんで1つでも新しい知識を持って帰って下されば嬉しい限りです。
このサイトでは普通に技術本になってるような有料級の知識をバンバン無料公開して大人たちを敵に回していこうと思います(?
さて、前回のお話はいかがでしたでしょうか?(まだ見ていない方は前回から読んでいただけるとより理解が深まると思うので是非見ていってくださいね!)
私も久しぶりに思い出したので日常生活でも色をじっくり観察する良い機会になりました。
ということで今回は前回の約束通り実際に色塗りについて解説していきたいと思います。
タイトルの通り絵って線画がヘッタクソでも色塗りが上手いと何故か良い絵に見えてしまうんです。
なので私のサイトでは体の描き方よりも先に色の塗り方を理由を解説していきます。
今回から基本的に以前紹介した専門用語の箇所は文字をクリックするとやり方のページに飛ぶようにしました。
もし分からない方はそちらをご覧ください。
難易度★☆☆
先ずはもう今日デジタルで絵を描き始めた超初心者の方でも出来る方法を紹介していきます。
その名も必殺:[逆光]です。
冗談抜きに簡単に出来て神絵師様でも多様する方がいるくらいクオリティ爆上がりします。
何故爆上がりするのかというと初心者の方は光と影があるということを認識しされていない方が多いからです。
知識をインプットするだけでもかなり変わってきますのでまずは実際に一緒に描いてみましょう。
皆さん1枚くらいはキャラクターの絵を描いたことがあると思いますので先ずはそのデータを引っ張り出してきてくださいね。背景とキャラクターが別れている物を用意してください。
折角なので私もデジタル始めたての頃の絵で挑戦してみたいと思います。
はい、ドーン!!!
これは2015年に文化祭の出し物用に描いたイラストですね。
確かデジタルを始めて4枚目くらいだった気がします。
髪の毛が本当に描けないわ、色も思い通り塗れないわでかなり苦しんだので今でも見ると苦しくなってきます(笑)
①キャラクターの上に新規レイヤーを作成したらクリッピングマスクをしましょう。
②次に影の色を選んだらバケツを選択して塗りつぶします。
この時、影の色はスポイトで背景の色を取る、夕方なら暗い濃い茶色等 その絵の中で大部分を占めている暗い色、影の色等を選びましょう。
分からなければ黒を選んで置きましょう。この場合は資料を観察して描いていれば何色を選ぶべきか感覚で分かっていくものなので沢山見て描いてください。
今回は私も背景が黒、そしてなるべく解説以外の技を使わないためにも黒で塗りつぶします。
③塗りつぶしたらレイヤーモードを乗算に変更して不透明度を50%~85%にします。
次に消しゴムを用意します。今回はエアブラシではなく形がはっきりしたものを使っていきます。
お手本のようにキャラクターの輪郭を消してみましょう。コツは所々にすることです。
出来る方は腕や胸、顔の輪郭なんかも輪郭線(線画)に沿って消してみましょう。
どうでしょう?既に良くなった気がしませんか?
難易度星1の主な作業は以上です。
◆プラス1手間◆
・可愛い、軽い等のイメージのイラストの場合は、仕上げにエアブラシを使って髪の毛の間などをフワッと軽くなぞって下さい。
・もし色を変更したい場合はを押して先ほどのバケツの作業か、新規レイヤーを作成→オーバーレイにレイヤーモードを変更したら色を塗ってみてもいいでしょう。
背景を夕日だと想定してこの作業をするとこんな感じになります。
勿論これ以外にもレイヤーモードを変更したり追加しながら塗っていくと更に逆光らしくなりイラストに深みが増してきます。
個人的にRella(twitter:@Rellakinoko)さんは自称されているほど逆光が大好きな神絵師様なので是非どんな影のつけ方をしているのかじっくり観察してみる事をおススメします。
難易度★★☆
世の中には厚塗り、水彩塗り、宝石っぽい塗り等他にも名前も良く分からないような塗り方がありますがまずは一度どんな塗りをしたい方もアニメ塗りから勉強しましょう。
話を盛っている訳ではなく、アニメ塗りで綺麗な色使いで塗れれば全ての塗り方さえもマスター可能です。
ではなぜ始めはアニメ塗りなのか?
-理由- ①簡略化された塗りなので比較的簡単 ②的確な色を拾えているか確認しやすい ③全ての塗り方がアニメ塗りの技術を元としている
先ずは皆さんのイラストを前回私がやったようにスポイトで取って並べてみましょう。
次に今自分の描いているイラストに近い上手な方のイラストや現実の写真を使って並べてみましょう。実際に模写をしてみても構いません。(もし模写をする場合は寸分も違わないくらいまで根気よく続けると良いです。)
どうでしょうか?
この時点で色使いが似ている+スポイトで取ったときにカラーバーのポインターが滅茶苦茶な方向に動いていない方は既にイラストが上手な方な筈です。
なっていなかった場合はどのくらいずれていたか、参考にしたものはどんな色を使っているかじっくり観察します。(美術系の学校では観察12時間、描くのは3時間なんて言われてるらしいですよ)
【観察するポイントの例】 ・髪の毛の色にグラデーションはかかっていますか?かかっている場合はどんな色使いでどんな混ざり方をしているでしょう? ・肌の影の色は何色ですか?どんな色が混ざっていますか? ・色のバランスは?配色は彩度が高いですか?それとも低いですか? ・影と光の境目はグラデーションがかかっていますか?それともはっきり分かれていますか?
観察して理解したら次のイラストからは実践してみましょう。
あまりにも単純すぎて嘘かと思われるかもしれませんが私はこの練習をした辺りから厚塗りを塗っても汚くならなくなったり、光の扱い方が上手くなってきました。
(2018年の10月頃のイラストのツイートの前後なんかを見てもらえるとわかりやすいかと思います。)
また、皆さんのイラストと描きたい絵柄を1枚1枚みてアドバイスしている訳ではないのでこれが唯一出来るアニメ塗りの的確なアドバイスになります。
少し物足りないので、仕上げに使える今でも良く使う技術をいくつか紹介します。
(③の色調補正レイヤーはこの後の動画でも使っている様子を見せています。)
①一枚新規レイヤーを作って色を整える
水中や夕日、淡い色使いのイラスト等様々な所で使用できます。
基本的には絵の一番上に新規レイヤーを作成してレイヤーモードを適当に試していきます。
オーバーレイが一般的ですが、このレイヤーモードを適当に試していくとオーバーレイよりも
良くなったりするので試してみると良いでしょう。
②加算レイヤーや覆い焼きレイヤーを使用する
光を調整するときに使用します。
逆光や光が強く当たっているところにエラブラシなどで追加してあげると良くなるはずです。
ただし、やりすぎは注意。
③色調補正レイヤーを使用する。
プロの方や絵が上手い方は必ずと言ってもいいほど最後に色調調整を行います。
彩度や明度など様々な色調補正レイヤーを使用して調整しましょう。
微妙な違いですが絵の印象を左右する大切な作業です。
④モノクロで確かめる。
初心者の方ほど、目立たせたい物を一番強く陰影をはっきり付けるということが出来ていません。
色使いが上手な方は目が育っているので作業中に修正できますが、初心者の方は他にも考えることが多すぎて気が回らないことが多いので時々モノクロにして確かめましょう。
この陰影のお話に関しては「構図」のお話をするときに詳しく解説したいと思います。
難易度★★★
正直難易度が星3なのかは悩みどころですが、アニメ塗りが既に出来ている方で同じ塗り方をしたい方はぜひご覧下さい。
基本的に私の塗りはアニメ塗り→厚塗りをしています。
厚塗りと言われると日本人の中にはビビられる方や難しいというイメージの方がいらっしゃいますが、そんなことはありません。海外だと厚塗りから始める方もいらっしゃるくらいなので、まずは難しいという概念を捨てましょう。
まずは線画を用意してアニメ塗りをします。ここで用意する線画はある程度形分かる程度の綺麗さであれば、どうせ塗りながら潰すので雑で構いません。
アニメ塗りをしたらエアブラシ等を使って境界線等を塗りつぶしていきます。
はみ出している線画などを消すために、1枚のレイヤーにすると時間短縮になります。
ただやり直したくなった時の為にグループを作ってバックアップを取っておきましょう。
もし一部だけやり直すときは、バックアップデータでやり直して一枚のレイヤーにしたら選択範囲でやり直したい部分だけ残して合成しましょう。
塗りつぶしたら補色なども入れていきます。
と、3ステップで以上なのですが言葉で説明してもイマイチ分かりにくいと思ったのでメイキング動画をご用意させて頂きました。
(今回は少し長いのでbgm付きにしました。各自ON/OFFをよろしくお願いします)
また、最後の仕上げはないのですが、タイムラプス版と完成ファイルも置いておきますので欲しい方はダウンロードしてくださいね。
いかがでしたでしょうか?
様々な絵師さんのイラストや自分のイラストを見てきての感覚ですが、毎日のように長時間練習してもそこそこ上手くなってくるのは約3~5年、神絵師レベルになるには約10年です。
勿論人によってはもっと早い方もいますが絵が上手くなるためにはこのくらい時間のかかるものです。
なので私がここで紹介したもの以外にもご自分で沢山調べて学んで沢山描いてみてください。
あくまでも私がここまで成長するまでに感じた事に過ぎませんし、私が調べまくって学んだ頃よりもっと良い方法が転がっているかもしれません。
結局は絵を上達させるには観察と練習と実践を繰り返さなければなりません。量とクオリティどちらも必須です。
大変だとは思いますが、今回の解説が少しでも助けになれば幸いです。
もし、もっと深いアドバイスが欲しい方は気軽に連絡してくださいね。
参考にしているイラストのように塗るにはどのようにして塗ったら良いかなど、ほとんどの絵の塗り方は分かるはずなのでアドバイスできるかと思います。
次回は構図について解説していく予定です。
それではここまでお付き合いいただきありがとうございました!